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断熱レベルのベストはどこか?

断熱レベルのベストはどこか?
カーボンニュートラルを推進するうえで、”断熱性能は高いほど良い” のは分かっているけれども、住宅を所有する立場では、断熱性能アップに掛かる建築費を、それによる光熱費の節約で回収出来るかどうかが重大な問題です。
また、ここ最近の建材価格の高騰から住宅そのものの価格上昇も著しく、予算とのバランスを考え #断熱性能の落としどころ は何処か?を常に模索する状況…(それでも 当社ではUA値 0.4前半、C値平均0.2程度を死守してきましたよ😣
そんな中、昨年4月に #断熱等級 の ”等級5” が新設、同年10月には等級 6、7がたて続けに創設されました。また、再来年の2025年には ”等級4” が義務づけられ住宅としては初めて断熱性能の最低基準が求められるようになり、国策としての住宅の #高断熱化 が進んでいます。ただ、私の感覚だと、”等級4” に関しては、山形県内の工務店であれば どの工務店に頼んでも達成しているであろう性能であり、4号特例縮小と合わせ申請の書類が多くなる程度のことで、新築住宅全体の断熱性能アップに繋がるかは不明。
どのレベルを目指すべきか、、
当社住宅の現在の断熱レベルは、断熱等級でいえば ”等級6” に近い ”等級5” くらいのレベル。であれば、等級6は標準にしたいところだが、最高レベルの ”等級7” に到達すべきかどうかは非常に難しい… というのも、”等級6” → ”等級7” への性能アップには、付加断熱が絶対条件であり、〔 #付加断熱 とは、通常の “ #充填断熱 ”(グラスウール等を躯体の中に充填する) に加え、いわゆる “ #外張り断熱 ” (躯体の外側に板状の断熱材を張る)を付加し、いわばW断熱 の状態にする工法〕私の試算だと建築費が¥3万/坪ほどのアップ。仮に40坪の住宅だと総額で約¥120万のアップになる見込み。で、この等級アップで得られる光熱費の節約がどのくらいか?だが、シミュレーションしてみると、多く見積もって年間1万円(ほぼ暖房費の差)というところ… 120万を回収するには少なすぎます… 
ということで、私がお勧めする断熱等級は “等級6” がベストバランスという答えになりました。
とはいえ、等級7における温熱環境は素晴らしく、暖房機器を一切使用しない状況でのリビングルームの一月平均温度が、10.3°C で、無暖房とまではいかないが、特別な住み心地を求めるのであれば、価値ある選択かと思います。
因みに、シミュレーションデータの年間光熱費には、太陽光7.47kw分のマイナス(-¥137,000/年)が入っております。